ムラのある街を飛び出して

関西で生まれ育った私が,東京暮らしを始める話。観劇記録が多めです。

人生を変えた作品① エリザベート(ウィーン版)

エリザベート ― オリジナル・ウィーン・キャスト

エリザベート ― オリジナル・ウィーン・キャスト

私が初めてエリザベートを観たのは、2002年に花組が演じた舞台でした。

宝塚好きの叔母に勧められて行ったのですが、華やかな衣装と美しい登場人物たちに魅せられて、見事にハマりました。
元々追いかけていた彩輝直(現在は彩輝なお)さんや明日海りおさんがトートを演じていたこともあり、その後も宝塚や東宝の公演に足を運ぶことになります。

その中でも、私が一番衝撃を受けたのは、2007年に観たウィーン版キャストの来日公演でした。

この時はあいにく2階席だったのですが、舞台両脇のスクリーンに随時日本語字幕が表示される形式だったので、ステージから離れた席で良かったのかもしれません(ちなみに、前から7列目でCHICAGOを観た時は、少し字幕が見辛いように感じました)。

まず驚いたのが舞台装置の数々
宝塚でもせりやまわり舞台はありますが、八百屋舞台(傾斜のついたステージ)が波打ったり回転したり、エリザベート殺害の凶器であるヤスリを模した跳ね橋が、キャストを乗せたまま上下するのを見た時は、こんな大掛かりな演出方法があるのかと思ったものです。

宝塚版・東宝版しか見たことがない人は、ウィーン版を見ると、また違った印象を覚えるのではないでしょうか。
ちなみにウィーン版のDVDは日本語字幕付きのものがあるので、私のようにドイツ語が分からない人でも、ちゃんと楽しめます。

カフェハウスのシーンでテーブルセットがくるくる動いたり、チェス盤を模ったセットの中で、キャスト陣がチェス駒になって動く演出は奇抜で、発想がすごいなぁと思います。

そもそも、演じているのが日本人じゃないというだけでも、だいぶ作品が違って見えますよね。歴史上の人物が、舞台上で本当に生き返ったようで。
第一幕終盤で、マヤ・ハクフォートさん演じるエリザベートが静かに佇んでいるシーンは、有名な肖像画がそのまま舞台に現れたのかと思うほど美しくて、目が離せなくなりました。

そしてなによりも、圧倒的な歌唱力
あまりの迫力に、鳥肌が立ちっぱなしだったことを覚えています。
まあ正直、キャストが歌い始めたら字幕そっちのけで見入っちゃいましたね!

実はその日、トート役をされていたマテ・カマラスさんのサイン色紙を引き当てたりして、終始テンション上がりまくりでした。

その後はウィーン版のCDとDVD買って、エンドレスリピートです。

あまりに好きすぎて、ウィーンへ飛んでエリザベートゆかりの地を巡ったり、本場でミュージカルを観ることになるのは、そこから数年後のお話。

そろそろ、ウィーン版の再来日を期待してます!

*もうひとこと*
日本語字幕つきのDVD、私はキャトルレーヴで購入しました。
CDは色々出ていますが、私が持っているのは、こちらのCD↓

Ocr: Elisabeth-Das Musical

Ocr: Elisabeth-Das Musical

エリザベート・トート・ルドルフが来日公演と同じキャストです。
来日公演を観た人にはもちろん、海外のエリザベートってどんな感じだろう?という人にもオススメ!

髑髏城の七人 Season風(千秋楽)感想

2017-11-04 ソワレ
@ IHI STAGE AROUND TOKYO

東京への引越しが決まり、まず最初に押さえたのが劇団☆新感線の髑髏城《風》のチケット。

関西勢の私は半ば諦めていたのですが、松ケンの生足と美麗な向井理が見たい!ということで慌ててチケット購入(不純な動機)。

幸いなことに、千秋楽を鑑賞することができました。髑髏城を生で観るのは、小栗旬主演のワカドクロぶりです!

『髑髏城の七人』DVD
* 2011年上演の『髑髏城の七人』は、それまで一人二役で演じられていた捨之介と天魔王が、それぞれ独立した役として描かれるという新たな変化を加え、さらに若いキャストで構成されたことから、通称『ワカドクロ』と呼ばれています。

あらすじはだいたいこんな感じ↓

時は天正十八年。
天下統一の志半ばに倒れた織田信長の跡を継ぎ、国を統治しようとする豊臣秀吉の前に、一人の男“天魔王”が立ちはだかる。天魔王は武装集団《関東髑髏党》を束ね、漆黒の髑髏城を構えて関東を支配していた。

関東髑髏党に追われていた少女、沙霧を助けた捨之介は、偶然知り合った狸穴二郎衛門とともに、関東一の色里《無界の里》を訪れる。
無界一の人気を誇る極楽太夫や野武士集団《関八州荒武者隊》の頭目・兵庫、捨之介とは旧知の無界屋蘭兵衛など、奇妙な縁に操られ、関東に集まる者たち。

総勢二十万の兵による、秀吉の関東征伐が今にも始まらんとするとき、関東平野に相まみえた蘭兵衛と捨之助、そして天魔王。

蘭兵衛と捨之助が抱える過去とは?
天魔王との因縁とは?

いま、天魔王の悪しき野望が明らかになろうとしていた。


以下、ネタバレ注意







まず、なによりも
劇場がすごい!

《風》特有の演出なのか、観劇中に何度も風を感じて、興奮しっぱなしでした。

後方の席だったので、ステージアラウンド特有の客席の動きも感じることができて、ちょっとしたアトラクション感覚。

そして今回は、久しぶりの捨之介・天魔王の一人二役バージョンということでしたが、それ以外のキャストも二面性を演じ分けているのがよく伝わってきて感動しました!

・捨之介(松山ケンイチ
松山捨之介は女好きや気さくな一面よりも、人間臭い演技に驚きました。そんなに泣く?!と思ったのですが、本能寺の変を防ぐことができなかった捨之介にとって、敵であれ味方であれ、人の命はそれほど重みのあるものなんだなぁと。

信長が全てだったと語る彼が、蘭兵衛に対して「俺たちは殿がいなくなって自由になったんだ!」と叫ぶ場面では、歴代の捨之介とは違い、信長の重圧をストレートに表現していて、彼に対するイメージががらりと変わりました。
何作品か髑髏城を観てきて、私の中では、天魔王が恍惚と「殿の悪逆っぷりはすばらしかった…」とつぶやき、捨之介は「あの頃は、殿が全てだったよな」と郷愁を込めて語る印象があったので、改めて捨之介の中での“信長”の存在の大きさに気づかされたというか。

なんにせよ、ラストシーンでは沙霧たちに救われて、過去のしがらみを取っ払うことができた捨之介。
「新しい名前を探しに行く」と言って舞台を後にし、再び現れたカーテンコールで「あーばよっ!」と軽やかにはけていった時は、ああ、捨之介の旅はここからなんだ…と泣きそうになりました。

瓢箪使い最高でした。本当にお疲れ様です。

・天魔王(松山ケンイチ
正直、仮面を取るまでは「バァット…」「イグザクトリー!」が頭を回っていたのですが(鳥天魔のなごり)、松山天魔王が現れてからはその迫力に圧倒されました。
えっ、これ信長様?と目を瞬く私。話し方といい容姿といい、捨之介と全然違う!

戦国武将らしい口調がツボで、蘭兵衛から勝算はあるのかと問われた時には「儂にも分からんのじゃ」とか笑顔でさらっと言えちゃうところがかわいい、天魔王様。

正直、私は捨之介より天魔王の演技の方が好きだったな〜。
できれば松ケンで天魔の舞が見たかった。《月》での復活を期待しています!

・沙霧(岸井ゆきの
出てきた時は子役?とか思ったのですが、飛んで走って大暴れ! 小さくても存在感は抜群。
画面越しでしか見たことがなかったので、岸井さんの舞台演技が上手で驚きました。

信長の影をしていた捨之介とは逆で、自分の影を犠牲にすることで、髑髏党から逃れることのできた沙霧さん。
小さい体で背負ってきたものがたくさんあるからこそ、沙霧は捨之介を助けることができたんだろうなぁ。

髑髏城で捨之介とハグしてる時の沙霧は、本当に嬉しそうだった。
よおっし!赤針斎、城、建てる! じゃなくて、早く捨之介のお嫁さんになればいいと思います。二人ともお幸せに!

・無界屋蘭兵衛(向井理
向井屋さん顔ちっちゃ!が第一印象。
じゅんさんが自分と比較していましたが、舞台の中でも際立って小さかった。

信長協奏曲を見てから、彼の和装が大好きになった私は、つい蘭兵衛の姿を追ってしまっていました。
まさか二度も接吻するとは…。

天魔王の手を取る前から、容赦無く東雲を殺めるシーンがありますが、その直後の捨之介とのやりとりでは蘭兵衛の危うさが描かれており、彼のこれからの姿が透けて見えたようで背筋がヒヤッとしました。
天魔王はあくまで道を踏み外すきっかけにすぎず、向井屋さんは遅かれ早かれ同じ道を選んでいたのかもしれないですね。
“天魔王の掌の上で踊らされて、無界の里を襲いに行く”のではなく、自ら天魔王を引き連れて家康討伐へ向かったところも、夢見酒のせいというよりは、蘭兵衛自身が過去と決別しようとしていたわけだし。

「無界の里で誰が救われたんだ」という台詞では、本心が見えたようで切なかったです。信長が死んでから月日が経っていても、自分を許すことができていない事実を、今までこんな言葉で吐露したことってありましたっけ?

でも、太夫たちは蘭兵衛がいたからこそ新しい生き方を手に入れることができたわけで。そろそろ『蘭兵衛は自分を許して、自分のために生きていく。彼のそばにはりんどうが…』って結末の髑髏城が観たいですね。無理でしょうけども。

公演前のインタビューでは、殺陣の封印宣言をして話題になっていたようですが、私としてはもっと和装姿が見たいので、今回の経験を足がかりにドラマや舞台でどんどん殺陣を磨いていってほしいです。

・極楽太夫田中麗奈
綺麗、というよりはかわいらしかった極楽太夫。蘭兵衛にぴったり寄り添う太夫。兵庫さん、完敗だよ!と思いながら二人を見つめていました。

寄り添っている時の、向井屋さんのどこか冷めた目とは対照的な、田中太夫の優しげな瞳が印象的。

傷を隠し、誇りを持って生き続ける姿はとても美しかったです。

・贋鉄斎(橋本じゅん
「今の名前はL、だったかな?」
って、しょっぱなから絶好調なじゅんじゅん!
男性好きとか蕎麦打ちとか、独自設定がありすぎて笑いが止まりませんでした。
出てくるだけで一気に安心して観れるようになる。本当じゅんさんすごい。

100人斬りのところで、蕎麦の屋台が出てくると思わなかったので、真面目なシーンなのに面白くて仕方がなかったです。

最近はドラマ出演も常連になっていますが、やっぱり新感線で見るじゅんさんが一番好き(アドリブ含め)。次の舞台を楽しみにしています!

・兵庫(山内圭哉
蛮幽鬼のような悪役出演ではなく、正義の味方として拳を振るっていた山内兵庫。でもごめんなさい。登場した時は髑髏党の手下その1だと思いました! だって服装が!!笑

格好良くて憎めない兵庫役は、山内さんにぴったり。
ちょろ毛が気になっていましたが、まさかの猫じゃらし設定! そしていまだかつてない、素晴らしい鎌使い。
「見ていてロックンロール」
しっかりと目に焼きつけました!

・狸穴二郎衛門(生瀬勝久
超楽しみでした。生瀬二郎衛門!
おにぎり食うわ、呪いぶちまけるわ、ほんと存在感大きかった〜。

序盤から裏があることを匂わせていましたが、正体を明かしてからは一気に渋さが増して素敵…。
そらおエマさんも若返りますよ!

おえまといえば、里の外で死ぬという伏線が手鏡に隠されているとは思いませんでした。
贈り物?生瀬さんスッテキー!くらいにしか感じていなかった。鏡を見て、愛した女を想う家康を見るのは辛かった…。

ラストシーンの家康様は貫禄たっぷりで、これなら江戸時代は安泰やで〜と納得して舞台を見守ることができました。

それにしても、煎餅まきでの「狸穴二郎衛門を演じました、徳川家康です」って自己紹介。どこまで客を笑かすつもりだ! ほんと楽しかったです。ありがとうございました!

三五と磯平は安定の名演技でしたね。たぬきコスのネタはんんん…と思っていたのですが、まさかあんなにたぬき(着ぐるみ+パペット)が活躍するとは!
磯平のマイケルジャクソンネタは『レッツゴー!忍法帖』の阿部サダを彷彿とさせました。鳥で客演していたから、ポー!を持ってきたのかな?

あと、瞬尾の演技。
松山天魔王が口封じのために彼女を殺めるシーンで、自ら身を差し出すところなんか、よし子姐さん格好良い…!

残念だったのは、天魔王の顔出し出演が少なかったこと。
最初の顔見せや敦盛が削られたことで、一人二役設定があまり生きていないというか。
第一幕が二郎衛門さんの登場から始まるのは、自然な形で分かりやすかったのですが、いつ松山天魔王が出てくるの?とモヤモヤしながら展開を見守っていたので、もう少し早く見せ場があっても良かったのにな〜と思ったり。

そして、天魔王が髑髏党の面々と舞台に立つ場面が少なかったのも、少し気になりました。
瞬尾との関係性や、“瞬尾と蘭兵衛さえ消すことができれば”という設定が今までよりも分かりやすくなったのですが、髑髏党の手下たちがどうして天魔王に付いていくのか不思議に思いました。仮面をつけた状態でいいので、天魔王のカリスマ性を党員の前で披露してほしかった…!

長々と書きましたが、《風》は原点回帰の二人一役でありながら、全く新しい髑髏城になっていて、初見でもそうでなくても楽しめる作品です。ライブビューイング見に行けなかったので、ゲキシネになったら再登城しようかな。

そして、もうすぐ《月》が始まりますが、私は年明けの上弦チケットを押さえているので、しばらく新感線はお預けです。
下弦はチケ取れなさそうだし、ライブビューイング情報を心待ちにしています〜!

*もうひとこと*
ちなみに、私はワカドクロのスペシャルエディションの方を持っています。

『髑髏城の七人』DVD- スペシャルエディション

『髑髏城の七人』DVD- スペシャルエディション

個人的には、特典映像のメイキングムービーの中で、キャスト陣が公演中も役作りに悩み、そして最高の舞台を作るべく、最後まで新境地の開拓に挑み続けたと語るところに驚きました。舞台を観た当時は、大迫力に圧倒されたというのに、あの時はまだ成長途中だったなんて。千秋楽が観たかった!!

ごあいさつ

はじめまして、こんにちは。
しま子と申します。

30年近く梅芸や宝塚に通っていた私が、夫の異動で東京に引っ越しました。

急な辞令だったので、関西で観るつもりにしていた『危険な関係』『レディ・ベス』そして宝塚(ロベスピエールとポー)は涙をのんで諦めることに…。

ただ、ここは東京。
関西では観ることのできない舞台もたくさんあります!

せっかくなので、この機会に観劇日記を始めることにしました。演劇好きの方も、そうでない方も、これからよろしくお願いいたします。

 

 

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