ムラのある街を飛び出して

関西で生まれ育った私が,東京暮らしを始める話。観劇記録が多めです。

人生を変えた作品③ SHINKANSEN☆RX 『薔薇とサムライ ~Goemon Rock Over Drive~』そのいち

今、語らずしていつ語る。
私の新感線はここから始まった…

というわけで

1. 新感線を初めて観に行くまでの話
2. 初代薔薇サムを含む五右衛門ロックシリーズの概要や、そもそも「RXってなんぞ?」という話
3. 初代薔薇サムのあらすじと感想

を三回に分けて書いていきたいと思います。

2022年劇団☆新感線42周年興行秋公演 SHINKANSEN☆RX 『薔薇とサムライ2 - 海賊女王の帰還 -』は、すでに三都市での公演を終え、残すは東京のみとなっています。

薔薇とサムライ2-海賊女王の帰還-|劇団新感線

私は12月に観に行くので、薔薇サム2のネタバレは踏まないよう、日々気をつけています。

初代薔薇サムの話を書く前に、まずは新感線との出会いの話から(といいつつ、初めは演劇集団キャラメルボックスの話です)。

私は小中高と演劇部に所属していたのですが、当時関西圏の高校演劇部員には、定期的にキャラメルボックスの公演へ招待していただく機会がありました。

自由に扱えるお金などほとんど持っていなかったあの頃、プロの演技を間近に見ることのできる機会は本当に貴重で、顧問に連れられ、みんなでスキップしながら劇場へ向かったものです。

運命の出会いは2007年でした。
演目名は『まつさおな』

席につき、パンフレットに目を通すと、そこには“客演 劇団☆新感線〜”の文字が。

もちろん当時から新感線は有名な劇団でしたが、なにせ無知でしたので、隣に座る親友と共に「劇団名に星のついてる人がいる!」と笑い合っていました。

しかし、幕が開いて驚きます。

はっきりとした発声。自然な所作。主役ではないにも関わらず、演技の端々で確かな存在感を見せつけ、観客を引き込んでいました。
公演が終わり、思わず親友と顔を見合わせます。

「「めっっっっっちゃ、あの人上手かったね!!!」」

その方は、新感線の劇団員である粟根まことさんでした。

帰り道の電車内で、私たちは新感線のチラシを手に、途方に暮れていました。

あの人が所属する劇団の舞台を観てみたい。

しかし、1万を超える高価なチケットに手が届くはずもなく、自分でお金を稼げるようになるまで我慢だね、と話していました。

時は流れ、アルバイトを始め、だんだんとお金が貯まってきたころに、映画館で新感線を観てみないか?とお誘いがかかります。

「実は、映画館で舞台の録画映像を見ることのできる、ゲキ×シネというものがある」「劇場で観るよりも安価で、DVDよりも迫力がすごい」と言われ、それならばと足を運んだ演目が『薔薇とサムライ』でした。

当時この作品を選んだのは①客演で呼ばれていたのが、慣れ親しんでいる宝塚歌劇団にかつて所属し、トップを務められていた天海祐希さんだったこと、そして②あの粟根さんがご出演されているということが決め手でした。

ゲキ×シネといい、宝塚や新感線のライブビューイングといい、一流の舞台が映画館で観られるというのは、既存のファンだけでなく、劇場に足を踏み入れることを躊躇っている新規のお客さんを呼び込むにはとても良い取り組みだと思います。

実際、舞台を敬遠していた友人も、一緒にゲキ×シネに行ってから新感線にハマり、今では一人でも劇場に通うようになりました。

未経験の方には、とにかく演劇ってめっちゃ良いから、悩むぐらいなら一回映画館へ行ってみ?と背中を押してあげたいものです。

今日はここまで。
次回、五右衛門ロックってなんぞ?という話を軽く(?)まとめます。

*もうひとこと*
薔薇サム2の公演にあわせて、各地で過去作のゲキ×シネ公開が決まっています。
興味をお持ちの方はぜひ!
ゲキ×シネ - 「演劇×映像」の新感覚エンターテインメント